家族も応援に来てくれていて、喜びを家族で共有できてることが何より嬉しい。
…子どもらと奥さんが首を長くして待っているのはタイム短縮効果大きい。
また、今回は脚の痙攣による大ブレーキが無かったのは個人的には大きな収穫だ。
…しかし、Cループ、最後にかなりタフだった!自分はまだまだだなぁと思わされた。
初めて踏み入れるルートで経験値が無いにもかかわらず、事前の情報収集も不足しグダグダな走りになってしまったのは反省。
次回以降の課題だ。Cループも含めサクッと走れる走力が欲しいもんだ。
-前日受付-
受付場所が安芸太田町の市街地に移り、
アクセスしやすくなったのは子連れにとってもとても助かったし、
他の選手もかなり助かったんではないかと思う。
また、説明会会場が屋内のホールになり、
大画面、グラフィックを駆使した分かりやすく、聞き取りやすい説明に変わっていて、
良かった。
この大会、確実に昨年のフィードバックが進んでいる。
残念なことに子どもの機嫌が斜めになり足早に会場を後にして宿に向かった。
こればっかりは仕方ない。
-当日-
昨年は当日朝の宿からの足が無いため、KTCメンバーに拾って貰えたため便乗で会場入りした。
今年はどうしようかな、と思っていたところ
シャトルバス運行の情報が出ていたので飛びついた。
今回から近隣宿泊施設からのシャトルバス運行が実施されるようになった。
これも車中泊ではなく近隣宿泊施設への宿泊者数を増やすための策として取り入れられたのかなと、感心した。
そうじゃ無いとなかなか車1台で来るのは困難だ。
まだ夜中、3時50分にバスに乗り込んだ。
あっという間に眠りに落ちた。
かなりリラックスできた。
起きたら会場に到着。
ちょうどスタートセレモニーが始まる時刻だった。
あとは走るだけ、という状態で会場入りした為それほど焦らず。

KTCのメンバーとも言葉を交わし、緊張もほぐれたいい雰囲気で朝5時スタート。
昨年と違い、ロードを駆け下りてからゲレンデ直登。
トレイルに入っていく。
-Aループ-
昨年1度走って反省点があったため、
しっかりとフィードバック。
”マイペースで”これはコース全てに対してであるが、特に序盤のAループは周りの選手との距離も近く、
他の選手のペースに翻弄され易く、
オーバーペースに陥りやすい。
林道で他の選手に抜かれても気にしない。
身の丈に合った走りをすることが何より大事。
幸いにも林道終わるころには周りの選手との距離も広くなり、
これが本当のレースなのか?と思うほど、
朝陽を浴びた美しい森を満喫しながら
高岳に到着。

もう最高。
昨年の悪天候もあり、
嬉しさは2倍だった。
聖湖も眩い光を放っていた。

第1エイドでもみじ饅頭をジップロックに戴き、トイレだけ済ませて先に進んだ。
ここからも着実に進んだ。
走りと歩きを交えながら。
割と走れたと思う。
聖山の登り口の分岐からの下り。
昨年はここからの下りで飛ばしてしまい、
かなり脚を消耗してしまった。
今年はどんだけ抜かされても、
気にしない。
後ろにつかれたら積極的に譲った。
なぜならそんな走れる脚ではないから。
餅の木峠から下り、牛小屋谷へ入る所で
N氏にキャッチされた。
しばらく並走。
仲間と走ると楽しい。
”ジェルは確実に補給”昨年は牛小屋谷から急激にハンガーノック状態に陥った。
今年はジェルを確実に摂取できた。
これまでSUUNTOの腕時計のストップウォッチのラップ機能はレースの各区間の記録用に使っていた。
最近は良くも悪くもタイムに対してシビアに考えなくなっているため、
途中のラップも意味ないな、と思い始めているところはあった。
また、ジェルは強度により異なるが40〜60分に一本分摂取するようにしているが、
走ることに夢中なレース中に何時に摂ったか忘れてしまい、摂取のタイミングが一定では無くなったり、結果的に昨年は予定本数を摂取できずにハンガーノックになってしまっていた。
そこで、時計のラップ機能を使ってジェルを摂ってからの経過時間を表示するようにした。時計をパッと見れば、あと何分したら摂る必要があるのかが一目瞭然のため、摂り忘れは皆無となった。おかげで今回はエネルギー切れは無し。
タイマー機能で一定の間隔で鳴らすのもいいかもしれない。
牛小屋谷も疲れてはいたが確かな足取りで進むことができた。
昨年フラフラの中見た景色とは違い、
素晴らしい景色の中を走る喜びを噛み締めて進めた。
キャンプ場内に入り、トイレを済ませ、
Aループ、終了。
エイドステーションでおにぎりを口に、
もみじ饅頭をまたジップロックに戴いた。
悪い癖でおにぎりを一口で頬張ったら酷い顔に。
せっかく写真撮ってくれているのに
まるで変顔。

家族にも会え、力貰った。
何より子どもの機嫌が悪くならないうちにフィニッシュしないとなぁ、という意識にはなる。
-Bループ-
重たくなり始めた脚、
昨年よりはまだまだ行ける感じ。
それもマイペースを貫いているからか。
恐羅漢山への登り口までの林道、
昨年同様走れる人達に抜かされまくる。
でも平気な感じ。
そしてこの後、恐羅漢山への登りで抜きまくる。
Bループは私よりも先行していた選手がペースダウンしたり、
平坦が速いけど、登りでバテている選手を追い抜き返したりという展開が多く、
自分は登りに強いんだな、と認識した。
恐羅漢山への登り、キツいと分かっていたから我慢して登れる。

ブナ林が美しい。
恐羅漢山から旧恐羅漢までの歩行区間がありがたいと思えるくらい疲れが溜まってきている。
旧恐羅漢からウォーターエイドまでの下りは昨年はとても楽しく、アドレナリン出たか調子上がった覚えがあるが、
今年は右膝に違和感が出始め、
どうもスピードに乗り切れず。
昨年はドロドロでテクニカルだったのが、
逆に良かったのか?
岩場だったり、根っこやドロドロ、砂礫など、走って下るより、重力にまかせて”落ちる”だけが得意だし好きだ。
対照的に今年のトレイルのコンディションはとても良く、
何も考えなくても下れてしまう。
下りで走らなければならない状態は苦手だし、大腿四頭筋などを使ってしまう。
ウォーターエイドに到着し、
足りていたため無補給で出発。
十方山への登りルート。
渓流が綺麗で感動した。

顔と頭を洗ってリフレッシュした。
この登りでも割といいペースで登り何人かパス。
しかし十方山に到着する頃に原因不明のフラつき。
補給はできていたはず。
やはりトレーニング不足なのか…。
十方山を過ぎて2,3km平坦でやや広めの尾根を走る区間があり、フラつく私にはとても長く感じた。
…と、後ろから軽快な走りだけど、finetrackのスケスケメッシュだけ着た変な選手、あ、N氏だ!
N氏が後ろから猛追。
N氏はAループ終了まで一緒だったが、
補給のトラブルで大ブレーキだったが、恐羅漢山まで持って行ったポテチを食べて回復してきたとのことでかなり元気そうだった。
フラフラの私は一気に離されていく。
那須エイドへの下りが始まってもイマイチな感じ。
全く自分の下りができない。
昨年、雨で泥々になったトレイルに苦労しつつも楽しんでいた記憶がある区間。
今回は雨天も想定して迂回ルートをキチッと開拓されていた。
昨年のフィードバックがしっかりとされている。
主催側の大会愛や、トレイル愛を感じ感激した。

トレイルを踏み固める重しの丸太が転がっていた。
後で聞いたら、丸太は重過ぎて使えなくて放棄したのだとか(笑)
確かに人が何回も通って踏み固まるトレイル、作り込むには相当な重量が要るはず。
アスファルトに出て、ダラダラと長い下りを過ぎると那須エイド。

トイレと補給をサクッと済ませ、
発つ前に頭に水をかけてもらう。
暑くなってきたため、かなり気持ちいい。
周りの選手たちもなかなかエイドを出発したくないような感じだったが、
さっさと出発。
トレイル入口への登りのロード沿いに
川が流れている。
とても綺麗で見ているだけで涼しい。
でも本当は飛び込みたかった。
走ったり歩いたり、堰堤横の法面を登り、

いよいよ内黒峠への登り。
内黒峠への登りはまだ序の口。
そこからが大変。
でもひとまず内黒峠までを目標に。
列をなして進んでいると、
やはり登りは他の選手とペースが合わない。
自分はまだまだ行けるため追い抜く。
決して焦ってペースを上げているわけではなく自分のペースで。
メンタルとしてもまだまだ行ける。
黙々と登る区間。
縄梯子が設置されるような急登もあるが、
北山の急登と同等レベルなのでロープや縄梯子には世話にならずとも登れる。
北山の経験値はこういうところで活かされる。
内黒峠に到着。
OS-1を配布される方に
少しいただき気合いを入れ直し、
再び山へ入る。
昨年はここからが1番のゾンビ区間だった。
少し登っては膝に手をついてひと休みだった。
今年は力のこもらない登りだったが、
何とか休まず登れている。
問題は下り区間。
脚が完全に終わったと確信した。
大腿四頭筋、ハムストリングの筋持久力はここで潰えた。
途中前後していた選手にも良いスピードで抜かれた。
その選手は昨年も同じくらいの順位を走る事があって下りでぶち抜いた記憶がある選手。
1年かけて下りのスキルを上げてきやがった!
完敗だわ…メンタルもここで崩壊。
やはり来た。
棒切れの時間帯。
気付けば脚が痛い。
膝も痛い。
ボロボロだ。
不死鳥が舞い降りてくるのをじっと待つしかない。
全然楽しくねぇなぁ、
早くBループ終わらないかな。
早く家族に会いたいな、などと考えながらトボトボと”棒切れ”は進む。
家族に会いたいのと忌まわしきBループを早く終わらせたい(失礼)と言う思いだけで
脚を進める。
最後のゲレンデ直登をよっこらしょと終えると家族が見えた。嬉しかった。

-Cループ-
家族に会えて、力をかなり貰えた。
そして、あとはCループ、そしてラスボスの砥石郷山を残すのみだ、という安堵感から、
グッと沈んでいた気持ちも浮き上がってきた。
やはり気持ちが大事なのか、
このレースの中の自分のハイライトはどこか?と問われると、Cループ序盤のロードと答える。
羽が生えたような走りができた。
何故この区間なのか?
山じゃなくて!
それはさておき、
Cループの滑り出し好調。
子供らのお昼寝ドライブで奥さんに並走され、
好調さをアピール。
しばらく続いたロード区間を終え、
いよいよラスボス砥石ノ郷山か!
…いやいや、待てよ、
確かまだ一山あった気がする。
Cループ、ここから歯車が狂い始めた。
これは次への反省点。
”コースプロファイルを頭に叩き込んでおく”イメージトレーニングは大事。
これから走るトレイルがどんな距離で傾斜で、などの情報を把握しているかいないかは、大事。
特に私はそう言う情報で走りが大きく変わる人。
フィニッシュまでの距離や、あとは下りだけ?など、内容次第で脚の痛みを忘れてスパートしたり、省エネしたり。
Cループ、甘く見ていた。
コースプロファイル、把握しきれていなかった。
ザックリとした情報しか頭になく、
疲労した脚、身体にはあと何回アップダウンがあるのか、とても知りたかった。
そのせいか、もちろん疲れていたのもあるが、ボケっとした走りをしてしまった。

最後の峠を越え、いよいよラスボス砥石ノ郷山に取り付く。
前評判通り、かなりの急傾斜が続き。
前後の選手もヘロヘロ。

縄梯子登場。
スタッフとしてコース整備など大きく携わっているシゲさんも登場。
励ましの言葉をいただき、踏ん張る。
必死こいて登った砥石ノ郷山の山頂は意外と殺風景。
よし!あとは稜線をちょっと走って下るだけだ!
…と思いきや、細かいアップダウンが続き、
メンタル的にも結構折れる。
さぁここから下りだ、という所からしばらく進み、この日スタッフとして入山されていて
シャッターを切っていたYさんに
最後に励ましてもらったところで、
ようやく見覚えのある地点に出た。
脳味噌も疲れていて、
フィニッシュまでの距離がなかなか思い出せない。
そうこうしているとフィニッシュゲートが見えてきた。
家族と仲間が迎えてくれた。

最後出し切る前に燃え尽きてしまっていた感はあるが、大きくグダグダになることなく走り切ることはできたと思う。
砥石ノ郷山から魂の抜けた走りになってしまったのが残念なところ。
息子が1日付き合ってくれて、
もう限界が来ていたため、
余韻を味わうことなく、早々に会場を後にした。
子どもの晩御飯の前にフィニッシュして、これくらいサクッと撤収できたら、
パパとしては合格だろう。
育児とトレイルランニングのバランス取りながら走ることも、醍醐味の1つになりつつある。
[走行データ]
時間: 12時間10分くらい
距離: 63.5km
累積標高: 3960 D+[装備]
ウェア
頭