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号泣の第21回えびす・だいこく100kmマラソン [2014.05.25]

昨年あれだけ、もう二度と出るものか、と思っていた、
えびすだいこく100kmマラソン、エントリーどうしようかな〜、と悩んでいたら、
申込書と封筒が奥さんの手によって既に準備されていたので、
観念して出ることにした。

すべては奥さん「一緒にゴールしたい」という願いを叶えるためだけに100km走った。

結果は、昨年のタイムを1分だけ更新して何とかゴール。
奥さんも念願の2人でのゴールに満足したようだった。
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そして、相変わらずキツ過ぎてもう2度と出るもんか、と思っている。
逆に奥さんがちょっとだけ興味を示しているので、
数年後にはサポートの方に励みたいと思う。

今回のレース、足首、膝、股関節の故障などで、
例年のようなまとまったアスファルトのロング走などの
トレーニングはできていなかった。

逆に、山ばかりを走っていた印象が強い。
大会の1週間前には、比婆山国際スカイランで脚の筋肉が崩壊したため、
一時はどうなることかと思ったが、私くらいのレベルなら、
このときの疲労があろうとなかろうと、
そんなにタイムに影響していないだろう。
ともかく、スタートラインには立てた。

あとはひたすら我慢。
長いレースはこれのみで頑張る。

今回のレース、奥さんの所々のサポートを受けて走った。
今大会自体、エイドステーションが非常に充実していて、
十分と言えば十分だが、
全然走り込みの実績がない私にとっては
サポートの箇所が増えることはとても助かった。


<スタート〜55km鹿島AS>
早朝5:30に変態達が美保関をスタートした。
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ここのコースを走るのも3回目。
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チェリーロードくらいまではボチボチ、辛いは辛いけど、
まだまだ先は長い、ということで、
N氏と会話したり、景色を眺めたり、
単調な道に気を紛らわせて走っていた。

N氏、今回は何とUTMBのレギュレーションをクリアするような装備を
ザックに詰めて100km走るとのこと。
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普通に100kmじゃなくて、何かテーマを決めて走るって格好いい。
他にも、ワラーチで走る方や、
一反木綿を背中に背負って鬼太郎の格好で走る選手など、
一人一人のテーマは色々。

チェリーロードを過ぎて、段々と日射し、気温が上がって苦しくなってきた。
40km大芦で奥さんの差し入れのキンキンに冷えたお茶をもらった。
うまかった。
それと、今回は40km地点で靴を交換することにしていた。
前半はAsics ゲルフェザーで
後半はAsics サロマレーサーを履いた。

サロマレーサーに履き替えた瞬間に、
指の付け根の着地部分のクッションを感じた。
あと、踵のカップがゲルフェザーよりもしっかりしていてとても安心した。

片句の原発の山越え前の港町巡り、意外と苦痛で、
アップダウンも結構あって、堪えた。
でも堪えるところばかりなのがこのコース。
そうも言っていられない。キツいがまだまだといった所。

御津のエイドステーションで氷をもらい、ジップロックに入れて、
それを帽子の後頭部に入れると結構涼しく快適だった。
一応片句の山越えの日陰の無いジリジリ暑い登りの対策だった。

そのおかげか意外とすんなり山越えを終えることができた。

昨年の記憶では50kmの片句から
55kmの鹿島の大エイドはとても長く感じたので、
中間の漁港に奥さんにサポートに入ってもらった。
冷えたオランジーナをがぶ飲みし、
片句の山越えで溶けてしまった氷を交換した。
また、後半の分のパワージェル3本分を受け取った。
本当に助かった。
気持切り換えて、鹿島に向けて割と力強く走ることができた。

55kmの鹿島のエイドステーションについたのは正午頃、
昨年よりも20分も貯金がある。
その割にボロボロ度合いも昨年よりもマシ。オーバーペースでもないようだ。

今回のタイム短縮の1つの作戦として、
鹿島での休憩を短縮することを考えていた。
昨年は靴も脱いで地面に座って、おにぎり2個しっかり食べて
トイレを済ませて、24分要していた。

今年は靴も脱がず、立ったままおにぎり1個食べ、
トイレを済ませて、15分で出発。
おにぎり1個はウェストバッグに持っていき、
横手林道の途中で歩きながら補給した。

キツいはキツいけど、休んだだけ回復するかというと
そう言うもんでも無いだろう、と
もう止めたい気持を押し殺して、後半戦へと進んだ。


<55km鹿島AS〜74km津ノ森AS>
昨年の経験を活かし、氷で首の後ろを冷やすことにしたが、
これが大正解だった。

昨年は鹿島を出発して、横手林道の入り口に着くまでの間に、
極度の暑さと脚のだるさを感じた。
脚のだるさは休み過ぎによるものだと思うが、
熱中症になりかけていたのだと思う。
エイドステーションを出たばかりなのに
自販機でミネラルウォーターを購入し、
がぶ飲みしていたことを覚えている。

今回は、エイドでもらった氷をジップロックに入れて、
それを一畑薬師マラソンの参加賞の手ぬぐいで包んで首に巻いた。
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冷却効果は相当のもので、暑くて苦しいと思うことはほぼ無かった。
ジップロックに入れることで溶けて出てきた水も
余すこと無く長時間使用できることがメリットだ。

手ぬぐいのおかげか、しっかりとした足取りで
何とか六坊までたどり着くことができた。
今年は昨年よりも調子がいい。
脚のコンディションは悪い筈が、経験、
メンタルでカバーできているようだ。

60km六坊エイドを過ぎて、また奥さんのエイドに世話になる。
氷の補給と冷えたお茶をもらう。
六坊〜魚瀬はキツい登りがあったので、
その前に気合を入れる意味ではちょうど良かった。
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65kmの魚瀬までの登り、昨年よりは軽い足取りで登れたと思う。
魚瀬ではトイレを済ませ、早めに出発。
昨年は最後の峠越えを前に、水シャワーを浴びたり、
なかなか出発することができなかったように思う。

魚瀬を出発して、最後の峠越え。
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行ってみればそんなに大したものではなく、すんなりクリア。
難所も事前に経験しておき、どんなものか分かっているだけで、
気持に余裕が出てきてすこしだけ楽に走れる。
絶望の中で走るのと、先が見えた状態で走るのとでは、大きな差が出てくる。

最後の峠を越えてから、今回最大のピンチを迎えることになる。
峠からの下りで膝が痛いことに気付いた。多分この下りで更に壊したと思う。

70kmの大野の手前で痛み止め(本日実は3錠目)を飲んでいた。
大野から宍道湖に出る津ノ森の長い平坦の道、
昨年と違い、割りと軽い足取りで走れていたのに、
途中から膝が痛む。
よく見ると左の膝が、着地の度に外側へ逃げている。
太腿前面部の筋肉が限界を迎えたようだった。
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必死に左脚を内股気味に何とか津ノ森に到着。

<77km津ノ森AS〜100kmゴール>
待っていた奥さんが持ってきたテーピングで膝を固定した。

77kmの津ノ森でシジミ汁とおにぎりを頂いた。
この辺から、冷たいものやコーラなどの炭酸ばかりを飲み過ぎたせいか、
痛み止めの飲み過ぎでなのか、胃がキリキリと痛み、吐気が出てきた。

津ノ森を出発してから80kmの園を過ぎて平田に入るくらいまで、
吐気と膝の痛みで走ったり歩いたりを繰り返していた。

途中、一緒だったYSDさんも脚の痙攣が酷く80kmでリタイヤ。無念だ。

平田の手前の長い直線、昨年一番の心折れポイントだった場所で、
奥さんに待機してもらった。お茶をもらった。
何も食べられない状態だった。
でも、気持は楽になり、次のエイドステーションに脚を運ぶ力は
何とかキープした。

85kmの平田で数名の知り合いに結構後方から追いつかれ、
ペースダウンが顕著になってきた。

もう仕方ない。膝もこんな状態だし何とかゴールしよう。
昨年のアキレス腱炎の件があったため、無理は止めようと思った。
また、走ったり歩いたりは逆に疲れるので、
ゆっくりでもいいからなるべく走り続けることを意識した。

だいたい8.0〜8.5分/kmでのんびりと。
これ以上ペースを上げると脚に無理が来る感じがしていた。
膝以外にも痛いんだけど、どこが痛いのかよく分からない状態だった。

途中、お腹が空いてきて慌ててジェルの残りを放り込んだ。
胃腸の調子が戻ってきたのだろうか・・・
ハンガーノックだけには気をつけた。

90kmの鳶巣、既に昨年のペースに対し20分の余裕があった筈が、
結局10分の遅れとなっていた。

普段なら1時間で楽勝で辿りつく距離が、
どんなに頑張っても1時間20〜30分かかると考えると
気が遠くなった。

よく知っている場所だからかなり辛かった。

沿道から応援してくれるおばちゃん、小さいこどもの言葉に
涙がでそうになり、
気持を奮い立たせて前進した。

平田から一緒だったYNさんも相当のダメージがあるようで、
なかなかペースが上がらない中、我慢して走っている。

最後のエイドステーションの手前で奥さんに
「じゃ、ゴールで」と言われたが、
それに対して返事できる元気も無く。
でも、ゴールする!という意志は強く持っていた。
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最後の95kmの遥堪、
散々食べてきて、もう食べたくもないし見たくもないバナナを
最後に食べたら、美味かった。今日の中で一番うまかった。
ボランティアの皆さんありがとう!

残り5km、果てしなく長い距離、
まずは島根ワイナリーだ、ワイナリーだ、と思い走る。
途中、弥山の山頂と夕空をボーッと眺めて気を紛らわすのは効果があった。

昨年はここら辺から激しいアキレス腱炎で
歩くのもやっとの状態になっていたが、
今年は大丈夫なようで一安心。
(実際は痛み止めが効いていたのかも知れない。)

ワイナリーまできた。
あと2kmちょっと。
ややペースを上げられそう。

必死に頑張るも、今日の私のスパートは7.5分/kmでした(ToT)
ショックを受けつつも、ゴールに次第に近づき、
ゴールを意識できたのは残り1kmだった。

いつものみせん広場を通り、最後の登りを走って登り(意地で)、
最後の運試し、神門通りの信号もすんなりと通過、
最後の神門通りの下りで加速。
自分のナンバーが呼ばれている。奥さん待っているかなぁ。

太腿がぶるんぶるん震えているけどお構い無し。
最終コーナーだけ気をつけて、
最後の直線、奥さん発見、嬉しそうだ。

約束通りふたりでゴールテープを切ることができた!
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最後、昨年のタイムにまさか追いつけると思わず、
何とか踏ん張った結果、1分だけ昨年の記録を更新。
膝痛が悔やまれるが、その他熱中症、脱水症状など、
数々の苦難を乗り越えているし、
普段ほとんどアスファルトの走り込みをしない私には、
上出来でしょう。

それも、サポートしてくれた奥さん、
大会運営委員、ボランティアの皆様のおかげ
だと思っている。大感謝。

感謝はしているけど、
やはり、この大会、キツ過ぎて、もう2度と出るもんですか!と思っている。
(ちゃんとトレーニングしていればそこまでキツくない筈なんでしょうけど)
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[今回の走行データ]
時間:13時間36分
距離:96.13km
累積標高:1321m
心拍数:Max177、Ave151
消費カロリー:6219kcal


ルートと標高は以下。
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ウェアと装備は以下。


帽子 : Salomon XA+Cap
     (もともとは富士登山競走のために買ったけど、結局使わず。
     晴天のロング走はこれが無いとやばい、サンバイザーにしなくて良かった。)

サングラス : OAKLEY Radar
      (久しぶりの登場、紫外線防いでくれたと思う・・・)

トップス : MountainHardwear CoolRunner Tank と
       下に Finetrack パワーメッシュ
ショーツ : Patagonia Strider Pro shorts 5"
       (動き易さと涼しさ重視で。肩を出すことは特に問題無し)

ソックス : injinji RUN 2.0 Original Weight Mini-Crew
       (メリノウール入りだったからか、気持ちいいんだけど、
       小指と親指の付け根に巨大なマメができてしまった。)


アクセサリー : Compressport Quad、 R2
        (脚が筋肉質なので、長時間の振動に疲労しそうだったので、
        少しでも楽に完走するために導入。脚の筋肉の目立った故障無し。
        このような物に頼らずに走りたいものだ。)


シューズ : Asics GelFeatherGlide スタート〜38km地点
      Asics SaromaRacer 38km〜ゴール
      (2足にして正解だったような・・・気分は変わった。
      効果は・・・私のような実力ではよく分からない。
      しんどいことに変わりない。)


ウェストバッグ : ULTIMATE DIRECTION Jurek Endure
(ストレス特に無し。持ちたいもの全て持てた。
ボトル片方にパワージェル3本を水で溶いたもの、
これは鹿島で3本継ぎ足し。もう片方に、
水やお茶など、適宜エイドで継ぎ足して、
携行。あとはiPhoneや痛み止め、塩熱サプリ6個)


秘密兵器 : Zipロックに氷を入れて、それを手ぬぐいで巻いて、首に巻いた。
      (身体全体に廻る血をドロドロになるのを防ぎ、
      なおかつ、涼しさを継続することができた。熱中症対策の最終兵器)

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<レース後記>
ゴール後、帰宅してお腹が空いているので、
唯一食べられそうな日本蕎麦を食べようとしたが、
一口で断念。
何だか頭がボーッとする。
今日一日辛かったなぁ・・・と思ったら、
よく分からん感情が湧き上がってきて、号泣。
まさに・・・UTMF2012のアダム・キャンベル現象。

涙がいっぱい出ていると思ったら全然出ていない!
涙も枯れ果てたのかな?と思ったら、
段々と顔全体が痺れ始めた。
脱水症状と熱中症が帰宅してから現れたようだ。

適切な処置をしたため、無事だったが、
脚だけでなく身体には相当のダメージを負ったようだ。
体重計に乗ってみると、レース前に比べて2kg減っていてマジビビった。
だいたいレース後は補給をたくさんしているためか
体重が増加か横ばいの傾向だったので
今回の経験には驚いた。
完全に脱水症状??リタイヤと紙一重だったようだ。
真夏の長時間行動は本当に危険。
真夏の皆生のロングとかどうなってしまうのか・・・恐ろしい。



アスファルトばかり見て走っていたため、
いい加減、山走りたくなってきた。
さて、どこの山へ行こうか。

by peperonci_no | 2014-05-30 23:00 | レース  

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