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裏銀座縦走(2、3日目) [2012.08.12-14]

毎年恒例のお盆休み縦走登山、初日は何とか天気はもった。
2,3日目は天候は崩れた。天気図どおりといえば天気図どおり。
分かっているのに入山するなよ。と自分に突っ込み。

天候がいいことが最高なのは当たり前だが、
天候不順から学ぶべきことも多い。
実際、一昨年の裏銀座縦走では強烈な暴風雨で全身びしょ濡れ、
脚が痙攣し始め、低体温症一歩手前、急いで下着を着替えた記憶がある。
防水の措置も甘く、ザックの中も浸水、
バーナーに火がつかなくお湯が沸かせなくなる始末。
あの時はもう命からがら三俣山荘に転がり込んだ。

今回も一部同じコース、同時期に同じような天気図。
同じことが起こらないように
多少の対策(登山するには当然の処置)をして入山した。
結果的にはびしょ濡れになること以外、
特に問題は発生しなかったため、良し。

2日目、
野口五郎小屋 4:58
水晶小屋 7:13 - 7:39
鷲羽岳 8:45
三俣山荘 9:17-9:44
双六小屋 11:29-12:01
槍ヶ岳山荘横 15:21
殺生ヒュッテ 15:45


初日はスケジュール上三俣山荘テント場までは到達できないと言う理由で、
のんびり野口五郎小屋で1泊していた。

朝食は簡単に菓子パンで済ませ、
5時頃出発。

朝から外はガスが発生。小雨が降り始めていた。
まぁこんなもんだろう、とレインウェア上下、ザックカバーを装着して歩き始めた。
野口五郎小屋からも何も見えない。
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水晶小屋までは一昨年の記憶では、かなりハードだった気がする。
晴れていれば違ったと思うが。

今回も雨、暴風。

真砂岳の分岐あたりまでは砂礫の登山道だが、
そこから水晶岳までは、大きな岩の塊の中を歩く。
憂鬱ゾーンが続いた。
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普段はそんなことはないが、ここの地質の岩と
今回使用しているトレイルランシューズのソールの相性が悪かったか、
濡れた岩の上が非常に滑り、慎重に歩く必要がありストレスとなった。
(他の地質の岩なら濡れてもスリップに対してそこまで慎重になる必要はなかった。)

水晶小屋に到着する頃には、もう雨に吹かれることにも慣れてきていた。
レインウェア内の汗濡れはもう始まっていた。体は多少冷えてきていた。

水晶小屋で前回と同じようにカップヌードルをいただいた。
今回は行動食は少なめなので、できるだけ小屋で補給を取る。
体が非常に温まる。
一息入れて重い腰を上げ、再出発。

ワリモ分岐までピッチを上げ、体温も上げた。
鷲羽岳〜三俣山荘は昨年通っているため、意外と近く感じた。
暴風と濡れでかなり気分が落ちていた。

鷲羽岳のすぐ下をとぼとぼと元気無く登っていると、
上からハイカーが。

山では足元を見て、トレイルランナーか、年配のハイカーか、
登山始めたてのハイカーか、大まかに判断して、
すれ違い、追い抜きの対応を変えている。

今回は、バスクのマインドベンダーか、トレイルランナーか・・・
まさか?!
顔を見上げると、彼でした。
こんな山の中で遭遇するとは。
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昨年の王滝以来会っていなかったが、SNSやblogで近況は何となく知っているため、
思ったより久しぶりな感じではないのは不思議。
でも広い北アルプスの山域の中でここで出会えるとは、かなり驚いた。

かなり気分が落ちていたが、一気にテンション上がった。
ソロでいると余計に知り合いがいると嬉しくなる。
心の底では寂しいのか。そんなことも思いつつ。
ニヤニヤしながら鷲羽岳を下った。

三俣山荘では予定通りプラティパスに1.5L水を補給。
ここの小屋はやはりかなり好き。
いつかは大切な人と小屋泊まりで来て、
サイフォンで入れてくれるコーヒー飲んでまったりしたいなぁ。
そんなことを考えつつ、暴風の現実に引き戻された。

相変わらず眺望ゼロ。ただただ先を進むだけ。
三俣蓮華岳、双六岳ももはや行っても眺望は望めない、
また体力温存のため、巻道ルートを取った。
ここは快調に進み、双六小屋まで一気に駆け抜けた。
一度通っているルートは気分的にも軽やかだ。

双六小屋ではちょうど昼前だったので、また補給。
今回はうどんを注文。温まった。
この悪天で、昼頃ということで、小屋泊まりのハイカーが増えてきていた。
私もここで泊りたい気持ちをグッと堪えて、
暴風吹き荒れる槍ヶ岳へ続く長い稜線へ脚を踏み入れた。

正直、西鎌尾根は初めて通り、なおかつ鎖場もあるような足場の悪い部分もある。
また、行程も長く標高差も500m近くあり、1日の最後にはキツいし、
今回のような悪天候ではリスクも高まっていた。
不安をいだきつつ樅沢岳へと登っていった。
12時を回り、この尾根を歩いているハイカーは少なく、
長い稜線上で、双六へ向かう2人と槍へ向かう1人としかすれ違わなかった。
人とすれ違わないことで余計に不安をかりたてられた。
(TJARの選手の皆様は本当に凄い。)

途中で見かける雷鳥にまで癒され、ホッとした。
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悪天候の中、鎖場や、足場の不安定な場所、切れ落ちている場所、
慎重にかつ、さっさと通過し予定通りに千丈乗越に到着。
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非常にホッとした。
あとは槍ヶ岳山荘横への九十九折れの急登を残すのみ。

最後の登りに何度も心を折られ、脚を止め、呼吸を整え、また進む、
まだかまだかと、コースタイムを呪いたい気持ちになった。
肩に到着した時、さすがに充実感で満たされた。
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殺生ヒュッテに向けて下ると、NHKの取材クルーがいたので話を聞かせていただいた。
開催中のTJARの途中経過など。
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そろそろ一人選手が通過するとのことで、
殺生ヒュッテまでの間ですれ違えないかな〜と思っていたが、
結局すれ違えず。

テント泊にするか、小屋泊まりにするか、両方の選択肢を持っていたが、
天候は悪化するのが分かっていたため、小屋泊まりを選択。
結局テント泊装備を持って入山したものの、全く使用せず。
歩荷トレーニングということに最終的にはなってしまった。
まぁこんなこともある。

結局、登山客も少なくガラガラの殺生ヒュッテで
快適な一晩をすごした。
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美味しいご飯をいただき、温かい布団で眠れて良かったと思う。
夜眠れないくらいの豪雨の音を聞いて、テントが水没することを思い浮かべて震えた。

  2日目)
  行動時間:10時間47分
  距離:17.9km
  累積標高:2293m上昇

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3日目、
殺生ヒュッテ 6:28
上高地バスターミナル 11:00


本来なら、東鎌尾根を経由し、表銀座を縦走し、中房へ下りる計画だったが、
2日目の状況がさらに悪化する予報だったため、下山することを決定。
坦々と上高地へ下った。

歩荷トレーニングのつもりで、できるだけトレイルランに近い形で
小走りで上高地を目指した。
序盤はレインウェア上下だったが、動きにくいため、
ウィンドシェルだけにして、雨と汗でびしょ濡れになりながら、
快調に歩いた。

徳澤園で月見うどんを補給した。うまかった。
観光客を追い抜き、バスターミナル到着。

  3日目)
  行動時間:4時間32分
  距離:21.0km?(途中でログが停止)

バスターミナルでびしょ濡れになったウェアを着替え、さっぱりし、
松本駅に向かい、そこから穂高駅、しゃくなげ荘横登山者駐車場へタクシーで。
だいぶ遠回りになってしまった。

温泉につかりさっぱりし、出雲に向け出発。
中央道は割とスムーズだったが、京都が大渋滞。
うんざりしつつ、通過。
結局また、中国自動車道で睡魔に捕まり、大休止。
ヘトヘトになり19時間かけて帰宅。本当疲れる。

往復1450km29時間の運転と2泊3日の北アルプス縦走の旅が終わった。

by peperonci_no | 2012-08-19 16:58 | 山行  

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